読書日記

忘れないように

九つの、物語/橋本紡

九つの、物語 (集英社文庫)

九つの、物語 (集英社文庫)


 この本は、私にとってすごく思い入れのある本です。
橋本紡さんの本に出会ったのは高校の図書室、この"九つの、物語"でした。すごくお気に入りで、現役の時、滑り止めの大学の受験に行くときに持って行きました。そのときは法学部志望でした(笑)法学部ばっかり受けてました。今、プログラムぽちぽちしてネットワーク構築してるけど。滑り止めからも滑り落ちたんですけども、試験を終えて、電車の中でこの本を読んだのは鮮明に覚えています。
 
 妹のゆきなが、亡くなってしまったはずの兄、禎文と日常生活を送る話です。章の名前は井伏鱒二山椒魚や、花袋の布団といった日本の古典文学で、彼氏を待つ間や、お兄ちゃんの料理ができるまでの間にその本をよむ、ゆきながいます。
 何と言ってもお兄ちゃんの料理の美味しそうなこと。食べることは生きることだなぁ、とすごく思います。最後の方にどんな思いでゆきなに料理を作っていたかと、お兄ちゃんが語るシーンがあるのですがそこがすごく好きです。

"どんなに辛くても眠りはやってきて、やがて目覚めてしまう。お腹だって減る。日常は恐ろしく強固で、たとえ大きなハンマーを振り回しても、その繰り返しを壊すことなんてできやしない。世界は、わたしたちの心の存在よりもはるかに強かった。"p303

そう逆らえないよなぁ。
最近若くてまだまだこれからの親戚が亡くなってしまって、今日、その人のメールアドレスがスマホに登録されてたことに気づきました。一週間前だったら通じてたのかな。やっぱり消せなかった。死んだ人にもう一度会う、というのはずっとある願望なのかもしれないな、と思いました。辻村深月のツナグもそんな題材だし、ドラマ、「デート恋はどんなものかしら」の依子さんの死んだはずの母親とか化けて出てくるし。

そういや、久々に同じ大学の友達とラーメン行きました。ご飯は、美味しいものは大事です。