読書日記

しがない元・情報大学院生女子、現・企業研究者の日記

十月一日 (土) 英会話

 共同研究先の教授に怒られる夢を見て、冷や汗をかいた。しばらくベランダに出てアイスを食べてぼうっとする。ここ最近、夢まで研究が侵食してしまっていて、よくない。
冷蔵庫を開けると、ピーマンの大袋が厳かに鎮座していた。今週は忙しくて料理できなかった。消費するために、青椒肉絲のようなものをもりもり作った。たけのこやピーマンを千切りしている時間は、無心になることができ、心が落ち着く。だが、ピーマンの種がシンクに散乱してしまい、めちゃくちゃになるのはどうにかしたい。


 私は今、ニつの英会話スクールに通っている。英会話スクールAは、一回三十分の会話を主とした授業である。このスクールの授業料は、会社から補助を受けていて、三月末までに一二〇コマ受けないと、五万払らわなければいけない。もう十月になるというのに、まだ二十コマしか受けていないのでやばい。五万の実費は赤字として大きい。英会話スクールBは、五十分の個別指導をみっちりと受けられるスクールである。発音だったり、英作文だったりみっちりびしばしと鍛えてもらっている。私の会社は九割日本人なので、なかなか学生時代のラボように英語を話す機会がない。


 昼から英会話Aをフリートークで受けた。準備なしで自分の研究テーマの紹介を英語でしたら、文法も、選ぶ単語もめちゃくちゃだった。自然にエレベータートークができるようになりたい。日本語だと文末でもちゃもちゃと濁すことができるが、英語は、主語の次に動詞が来て、最後まで聞かなくても言いたいことがわかる。語順のせいか、英語のほうが自分の意見をしっかり言える気がして好きだ。


 英会話を日常へ取り入れるようになったのは、コロナ禍からだ。私は会社で働く時間と英会話の時間以外、ほぼ独りで過ごしている。だから、少しでも人と話す機会を持つために、お金で話す人を雇ってしまった。会社が用意した狭い部屋は、たくさんのぬいぐるみはいる。けれども、人間は私一人だ。もし共に過ごす人がいたら、些細な出来事も相手に共有するだろうが、自分に起こったことは、自分しか知らない。そういう、"自分しか知らないこと"を日記に残しきた。感じたことや知ったことを残したかった、ただそれだけだった。たとえ紙切れでも、インターネットの海にでも。そういう意識が根底にあったのか、偶然にも二十歳頃には小さな研究を始めていた。自分が興味を持ち調べたり、分析したりすることが好きで、自分が解明したことを残したくて、自然と研究職を選んだんだと思う。


 その日は書きかけの国際会議論文の絵を作成した。パワーポイントでは帯に短し襷に長しでイラストレータでやり直さなきゃだめそうだった。明日やろう。ファイアーエムブレム風花雪月で戦場を駆け巡って、日付が変わるごろに寝た。