読書日記

しがない元・情報大学院生女子、現・企業研究者の日記

十月五日 (水) はじめての人間ドック


 昨日銀行に寄って、新札を手に入れた。忘れないうちにと、ご祝儀を包んだ。名前を毛筆で書きたかったが、筆ペンがみつからない。ふと、前の課長に筆ペンを貸して、返ってこなかったことを思い出す。仕方ない、買いに行かないといけない。


 今日は人間ドックで遠くに行くので朝5時起きだった。いつもみたいにベランダで、アイスやラムネを食べないように気をつける。道中は、論文管理アプリをいじって環境構築し、検査の待ち時間に論文を読んだ。今抱えてる原稿が複数本あるが、どれも論文調査が足りていない。調査が済んでいるほうのテーマで、締切の近い論文をぼちぼちと書いた。中途半端に書き切ることができず、呪詛と焦りが澱として沈殿して心が重い。今は、自分がやった仕事を無かったことにされるのが、怖いし、哀しい。この短い論文は、私の節目になる論文。もしアクセプトされたら、論文をアクリルスタンドにしたい。できるかしらんけど。


 はじめての人間ドックは、緊張の連続だった。まず、密室で他人と二人になるが辛い。そして、その人間が異性の場合、恐怖感が付与されるのおまけ付き。すっかりリモートワークに慣れてしまった。このような世の中で検査をしてくれる人々に感謝しなきゃいけない。けど、声だけで、文字だけ、人と関わるのが日常になった。それと比較すると、相手が眼の前にいることの情報量の多さを感じる。普段は眼の前にいても、私と他者の間には一・二メートルの距離がある。エコーやMRIを取られながら、天井の点を数えたり、時間を数えたりする。