読書日記

しがない元・情報大学院生女子、現・企業研究者の日記

五月三日 水曜日 羽田空港のベンツの蕎麦

五月三日 水曜日
現実日記
 連休なのにどこにも行かないのもあれかなって思って、羽田空港まで遊びに行った。飛行機には乗らない、ただ遊びに行くだけである。
 羽田空港には、ベンツの蕎麦屋がある。
 ベンツって?あの車の?と思われるかもしれないが、そのベンツである。なぜか、ベンツは羽田空港蕎麦屋を経営している。その店を知ったのは、佐久間宣行さんのオールナイトニッポン0(ANN0)の二〇二二年四月二十七日回の放送だった。

佐久間P、知人Dを“メルセデス・ベンツの蕎麦”で見かけ驚き「その蕎麦のために……」 – ニッポン放送 NEWS ONLINE

 羽田空港第二ターミナルで人気蕎麦店「港屋」の蕎麦が食べられる。蕎麦を食べられるだけでは、普通の蕎麦屋である。特筆すべきなのは、ベンツのショールーム?でベンツの車を見ながら食べられるという点。さらに、ベンツの車のとなりにグランドピアノが置いてあって、通りすがりの人々の演奏を聞きながら蕎麦を食べられるという、なんとも不思議な環境だった。 

 聖地巡礼、とはこのようなことを言うのだろうか。港屋のそばは、つゆにラー油が入ってピリリと辛かった。名も知らない人のストリートピアノを聞きながら、それを食べるのはなんだか乙な気分だった。苦手な高い椅子でも機嫌良く食べられたというか。プロのピアノ奏者っぽいひとがジャズを引き終わると、千本桜、硝子の少年、など有名曲を弾いてゆく。辛いものがあまり得意ではないので、麺の方につゆをかけて、セットの温泉卵をかけてマイルドにした。辛さを調節すると食べやすくなって、美味しいなぁと感じた。これが佐久間さんが言ってた蕎麦か、なるほどなるほど……。みたいな気分になった。現役でピアノを習ってた学生時代にストリートピアノの文化があったらよかったのになぁ、今では全然指が動かない。合唱コンクールでピアノの伴奏をするくらいは得意だったし、スキルとして活用できでいた。またピアノをやりたいけど、なかなか機会なく保留になっている。蕎麦を食べ終わると、店員さんが「そのままでいいですよ、お気をつけて」と声をかけてくれて、空港のベンツの蕎麦屋の接客っぽいな、と思った。

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 そのあとは用もなかったので、とりあえず上に登ってANAの飛行機を見に行った。上のフロアに登るエスカレーターから見える天井が高くて、幾何学的で、綺麗だった。大型連休の前半ということもあり、多くの人々がスーツケースを連れて歩いている。子供や外国の方も多く、ごちゃごちゃとした印象を持った。どこかへ行く旅と、どこかへ帰る旅が混在するこの場所で、先々のことを考える。目の前で、青と白の飛行機が離陸し、着陸する。
 私はまず離陸しないといけない気がした。あれこれ溜め込んだタスクの山に、混乱しているだけではないか。論文を書かねば、私が得た結果はどこに行くんだ?飛行機が高く高く空に舞って、見えなくなる。その軌跡を眺めながら、自分の方向性を見定めなければなーーー、と思った。たまにはここに来るのも良いかもしれん。


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